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フランスの田舎風インテリア

フランスの田舎風インテリア

フランスの田舎風インテリアとその家の物語

時々行くフランスのウール エ ロワール県(Eure-et-Loir)の田舎にある大きな家。その家の内装、インテリア、デコレーションをご紹介。いかにも雑誌に出てきそうなフランスの田舎風の素敵なインテリア。そしてその家にはある物語もあるのです。

このブログでも何回か綴った、時々行く自宅から車で1時間半程のウール エ ロワール県(Eure-et-Loir)の田舎にある彼の義父(異父の妹の英国人父親)宅。この彼宅の広い庭の向こうに住む隣人の仏人女性シャンタル(Chantal)。今回はこのシャンタル宅を紹介。

フランスの田舎風インテリア
義父宅の庭から木々の後に見えるシャンタル宅

若い時美しかった(らしい)シャンタルは早くに結婚し、一人息子をもうけ、その後早々離婚。定年退職するまではベルサイユのアパルトマンに住み、ずっとベルサイユの隣町のジュイ・アン・ジョザス(Jouy-en-Josas)にあるフランスで一番のグランドゼコールのエリート校であるHEC(パリ高等商業学校 École des hautes études commerciales de Paris)で英語教授をしていました。定年退職後はアパルトマンを息子夫婦に譲り、自分は田舎に大きな家を購入。家族が集まって心地よく過ごせる家のデコレーションをする、事が彼女の趣味、生き甲斐になったそうです。それでは彼女宅へ〜。

きちんとした玄関はなく、キッチン、ダイニングルーム、リビングルーム、書斎、と何処からでも家に入れます。

フランスの田舎風インテリア

まずは一つ目のキッチン。

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そしてこのキッチンを通ってすぐ隣のダイニング兼リビングルームへ。天井が高くて、とても広いスペースで、中々素敵。

フランスの田舎風インテリア

何だかフランスの田舎のインテリア、デコレーションの雑誌にでも出てきそうな雰囲気です。

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大きなテーブルは大家族が集まるクリスマスや孫が友達を連れて来る時に使用するくらいでしょう。

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奥にはサロン、リビングのスペースが。

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暖炉もあります。

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調度品に関しても良いセンスで選ばれ、置かれています。全て近くや他の村のブロカント(蚤の市)で買ったそうです。

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リビングルームを通って隣の書斎へ。流石元教授、物凄い本の数。

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次に、2階へ。

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2階には幾つもの部屋があります。

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20歳弱の孫が二人おり、彼等がいつ来ても快適に過ごせる様にときちんと常に片付けられています。彼等が小さい時に使用していた物もそのまま、曽孫用にでしょうか。

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ちなみにちょっと余談ですが、この孫の一人は現在先に記したフランスで一番のエリート校HECの学生で、今年春から4ヶ月間の交換留学研修で慶應大学に行くそうです。小さい頃から日本の漫画が好きで、良心はアメリカへの留学研修を望んでいたらしいですが、とにかく日本行きを押し通したとか。そんなエリート校に通う学生が自ら海外留学先にと日本を選ぶって、日本人としてはとても嬉しいですね。確か彼を入れて計5名の学生は日本を選んだそうです。

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以前にも書きましたが、このシャンタルの家庭はとても優秀な御家庭の様で、この孫の父親、つまりシャンタルの息子は国連機関で働いており、息子も優秀、やはり優秀さって遺伝なんでしょうね。いや、きっと両親とこのシャンタルの教育の仕方がそうさせた事もあるでしょう。。。

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その後は階段をおりて、家の右楝へ。広いお庭から家正面を見ると、一階は左楝(広いリビング、ダイニングがある楝)と右楝に分かれています。右楝は小さく狭いです。

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とても小さな居間。真冬はこの暖炉の前で多くの時間、読書をして過ごすそうです。

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こちらバスルーム。

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右楝にある小さなキッチン。

長い廊下。何だか、夜とか一人(プラス犬)では気味悪そうで怖いですね。。。この廊下脇にあるシャンタルの寝室、左楝の2階にもあるシャンタルの寝室の2部屋、そして2階にあるバスルームだけは写真をとっていません。

さて、こんな一人で普段住むには広すぎるシャンタル宅。実は、廊下、この広さだけが一人で住むには気味悪い、怖い、と言うのではなく、ぞっとさせられる様な物語がこの邸宅にはあります。

時は遡って1950年代。その当時この家(当時は小さな右楝だけだったそうです)にはジャン デュポン(Jean DUPONT)という男性とその妻と、シャンタルと言う今現在の住民と同じ名前の6歳の少女が暮らしていました。ジャン デュポン(Jean DUPONT)は農民、農業に携わっており、その妻は学校の教師でした。しかしその後離婚。この離婚により子供の親権は母親へと渡りました。それに耐えられたかったジャンは復讐の為に、クリスマスに我が娘である当時6歳のシャンタルを殺害、その体を切りさき、暖炉で死体を焼いてしまいました。

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そう、この右楝の小さな居間のこの暖炉で↑😱😱🙀。そしてこのジャンは、母親や警察には数ヶ月もの間パリにいる親族にシャンタルを預けている、と嘘をつていたそうです。その後逮捕に至るまでの話は知りませんが、1959年4月14日、この狂気の男ジャン デュポン(Jean DUPONT)は、パリでギロチン刑に。このウール エ ロワール県(Eure-et-Loir)の最後のギロチン刑囚人になりました。ギロチンと言うと何だかフランス革命を思いますが、実は結構最近まで執行されていた刑で、ギロチンが廃止されたのはフランソワミッテラン大統領時代の1981年。

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こちらは当時の同事件を語っている本↑です。

と、ぞっとする物語がある家で、実は現在のシャンタルがこの家を購入後、彼女宅で近所の人達を集めて開かれた小さなアペリアリティフに招待されていた農業に従事している近所の男性が、この悍ましい話をシャンタルにしてしまったのです。普通そんな話をわざわざ引っ越してきたばかりでしかも一人暮らしの女性に語りませんよね。所詮他人事で私には全く関係無い事ですが、たまに同田舎で英国人義父と散歩中にこの農業従事の男性に会う事もあり、その度いらっとします、そのデリカシーの無さに。

話は戻り、このアペリティフ後、この隣人達が帰宅して夜中一人でいたシャンタルは気味が悪くなり、すぐ息子に電話を。しかし、国連機関で情勢がとても不安定なアフリカ大陸を担当している息子は常にどんな状況でも判断を早急に下さなければいけない立場にいたせいでか、そんなに怖いならすぐに出てゆき、家を売却、そうでなければ気にせず住み続ける、と言う選択を母親シャンタルに迫ります。

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結局住み続ける事を決心したシャンタル。彼女から次の世代へ、そして又次の世代へ、と受け継げられ、常に家族や親戚が心地よく集まれる様な家にしたいのよ、と毎日毎日デコレーションやブリコラージュをして過ごす彼女。そんなファミリー思いの彼女だからこそ、偶然にも名前が同じ、母親の職業も同じであり(教師)、6歳のシャンタルに選ばれた住民なのかも知れません。その前のファミリーはあまりに大きな家で家の修理にあちこち費用が莫大にかかり過ぎた為数年しか住んでいなかったそうで、又ここまで素敵な内装では全くなかったとか。。。

そんな物語がある素敵なカントリーインテリアの家なのです。