寒くて長い陰鬱なヨーロッパの冬。今年も10月下旬から11月上旬の息子の2週間のトゥッサン(vacances de la toussaint)のバカンス中、冬到来への心の準備に、と去年同様に最後の海を見にマルセイユ(Marseille)へ。
青い空に地中海、美味しい食事にかなり去年癒されたので。。。早朝のTGVに乗って3時間ちょっとで地中海。車だととんでもなく遠いけれど。。。
到着後はまず船で海へ!マルセイユ港からイフ城(Chateau d’If)行きとフリウル島(Ile du frioul) 行きの船がありますが、断然後者のフリウル島(Ile du frioul) 行きがお勧め。
イフ城(Chateau d’If)は、とても小さな城跡しかなく、海水浴をする場所や、ゆっくり寝そべられるビーチがない為です。ただ、どちらみちこの秋から冬にかけては頻繁に高波の為イフ城に船が寄港しない日も多し。そしてカランク(Calanques)巡り遊覧船もありますが、こちらはかなり時間的余裕がある人用。
早速フリウル島(Ile du frioul) へ。マルセイユ旧港入り口サン ジャン要塞、サン ニコラ要塞を後にします。海に出るってやはり爽快な気分になります。ランチ前に出発の場合、マルセイユ港周辺でテイクアウトランチを買って行った方がいいかも知れません。島のハーバーに数軒レストランがありますが高いだけであまり美味しそうではありません。
30分程で島に到着。下船後は海を背に右方面へ歩いて行きます。左方面も良いのですが、どちらかと言うとハイキング向け。ゆっくり、まったり、海水浴をするには右方面がお勧め、サン テステーヴ ビーチ(Plage de Saint-Estève)を目指します。
ハーバーからおよそ徒歩で15分くらいで同ビーチが見えてきます。このビーチまで行っても良いのですが、人の少ない途中の岩場で私達は毎回泳ぎます。
海の色は透明ブルーでと~ても気持ちいい~。今年の秋はとても暖かく11月の第1週目でもまだ泳げました🙂。この場所がとてもお気に入り。毎年冬前にここに来そう。。。
さて、マルセイユでの楽しみ、と言えば美味しい食事。マルセイユのお勧めレストランを二店紹介。
夜はまず、予約していた港の近くのリナトンドゥ (l’Inattendu) と言うレストランへ。アラカルトしかなく又品数が非常に少ないのですが、実は品数が少ない方がこだわりが感じられ美味しかったりします。最初に3種類オーダーしていつも通りシェア(←フランスでは誰も普通シェアなどしませんが)。
まずこちらブスケッタ(Bruschetta)。とてもオリジナルな味で、写真上だと見えませんが、野菜の下にハンバーグステーキがのっかっています。
そして、白いんげん豆のピューレにグリルタコのハーブ添え。これ又オリジナルな味でとんでもなく美味しく。
もう一種類は、豚肩肉のローストに焼きナス添え(←これもよく見えませんが)。こちらもかなり美味しかったです。結局あまりの美味しさにブスケッタとタコグリル白いんげん豆ピューレを再オーダー。
ちなみに飲み物はエクス アン プロヴァンス(Aix-en-Provence)のアーティザナル地元ビールで。あぁ~全てが美味しかった~。決して安くはなかったけれどパリでは味わえない風味。
さて、次は、グラフィティー(graffitti)だらけ、ストリートアート地区として有名になったパニエ地区(le Panier)へ。
昔は、ちょっと怪しい?危ない?系地区の一つでもあったこの地区は完全に生まれ変わり今や大人気の観光地に。
実際この地区に今やインターコンチネンタルホテルが出来ていました。
この生まれ変わったパニエ地区を久しぶりに散歩。
至る所にグラフィティーが。
凄い。。。
又、小さな路地の両サイドには個性的なショップが立ち並びます。
ぶらぶらこの様なストリートアートやショップを見ながらの散歩を楽しめます。
さて、もう一軒のランチをしたレストランは去年に行ってとても気に入ったこれ又旧港のすぐ近くのカルティエ リーブル(Quartier libre)。6月にパリからマルセイユに引っ越した友達夫婦とこちらで合流、ランチを。
こちらでも又何種類もオーダーして皆でシェア。同レストランはどちらみち一皿一皿何も付け合わせなく一品でくるのでタパスバーの様な感覚で皆で何皿もオーダーしてシェアする事をお勧めします。メニューもかなり去年と変わっていましたが相変わらずの美味しさ。
オーダーしたのは、まず鴨のトルネードバージンオリーブソース、ピンクベリー添え、
チミチュリ豚ロース肉、ちなみにチミチュリ(chimi churri)とは南米やアルゼンチン発祥のソースで主にニンニク、パセリなどのハーブ類にオリーヴオイルを混ぜたソースです。
そして、鱈の切り身ブイヨンとグリビッシュソース味、
こちらはとろみのある卵とサバの英国風エスカベーシュ、エスカベージュとは南蛮漬けの様な物です。
そしてコチュジャンとゴマ醤油味の茄子クリーム味のカリフラワーのグリル(左上のお皿)、最後に蒸したポテト、マヨネーズとレモンと砕いたブラックオリーブ添え(←写真撮り忘れ)、
そしてドリンクは先のレストランと同じビールがあったので同ビールを注文。ワインよりもビールとより合うメニューです、いや、日差しが強いのでよりそう感じるのでしょうか?
締めにコーヒー、
とオーダーしました。今回もとてもエキゾチックかつオリジナル、創作的な料理で全品とても美味しかったです。友達夫婦もよく前を通っていたにも関わらず気にもした事なかったそうですが、大変気にいりました。
マルセイユは嫌い、危ない、移民だらけ、とよく耳にしますが、確かに街を歩いていると裕福な街ではないのは見て明らか。旧港からサン シャルル駅(Gare de Saint-Charles)までのいくつもの小道は、フランスではなくアフリカのどこかの国、と言った方が適切な雰囲気。ただ、多くのマグレブ諸国そしてアフリカの国々を中心にその他の国々からの移民がこの街にかなり多く住み着いているだけに、地中海料理にエキゾチックな風味が絶妙にミックスされオリジナル、創造的でかなり美味しい風味の料理、つまり創作料理を生み出しているのがマルセイユのレストラン。パリは勿論他のフランスの都市では味わえない風味であり、特に海の幸やハーブ、香辛料が好きな日本人の口にはかなり合うと思います。
一般的な美味しいフレンチはブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方で味わえるかも知れませんが、私にとって、フランスで一番の美食の街はマルセイユかも知れません。とにかくマルセイユの美味しいレストランとしてこのカルティエ リーブル(Quartier libre)はかなりお勧め!値段もお手頃、サービスもよし、と完璧なレストランです。
マルセイユの極東に位置する8区レ グド(Les Goudes) 地区まで地中海沿岸沿にまだいくつも行ってみたいレストランがありますが、時間的余裕と車が必要になって来るので又いつか。。。
美味しい食、青い空に地中海、アート、と意外とかなりの魅力が詰まっているのがマルセイユ。毎年来てしまいそうな街です。
ショート動画にマルセイユの魅力を詰めてみましたのでよかったらご覧ください。