２月から３月上旬までスキーバカンスであったフランス。フランスでは住んでいる地方、地域によって夏休み以外のバカンスシーズンが異なりますが、パリを中心とした地域圏イルドフランス(Ile de France)の今年のスキーバカンスシーズンは２月末から３月上旬の２週間でした。
電力エネルギーの高騰、インフレ下で高くつくスキーに行くか？迷ったものの、やはり去年やっと普通に滑れる様になった息子がすぐ忘れてはいけない、と思い数日行く事に。今年は多くのフランス人がスキーを避けてスキーバカンスを海辺で過ごしたそうです。戦争による高インフレ下での生活に嫌気がさしてぱぁ～っと太陽と海を好んだのか？実際、パリ人に関して言えば、この戦争下、ひどいインフレで皆暗い気持ち、不安混じりで過ごしており、１月から２月上旬のパリのセールも今年は最悪。各商店大変で、とにかく多くの有名フランスの中間層のプレタポルテ企業の倒産ニュースが相次いでいます。
従って今年もできるだけファミリースタイルの安めのスキー場を選びました。何たって物価高騰に加え、高速料金もガソリン代も全て上がっているので抑えられる所は出費を抑えなければ、あまりに多いおフランスのバカンスにお財布がついていけません。
フランスで一番好きな場所であるアルプス地方オートサヴォワ県(Haute-Savoie)。今回はこのオートサヴォワ県でも北部よりのレマン湖に近い山岳地帯にあるファミリアルなBernex (ベルネックス)と言うスキー場へ。
まずスキーをする前に腹ごしらえ。スキー場近くのシャレーレストラン« Le Relais de la Chevrette »へ。
典型的なサヴォワ風シャレーでサヴォワ料理を楽しめます。
まずアミューズブーシュはチーズのヴルーテ、そしてドリンクはピコンビールに。
息子と私はチーズフォンデュを。
彼はサヴォワ産チーズがたっぷりのっているポルチーニ茸クルート(パイ生地)を。
エネルギー補給をした後はスキー場へ。ただ、今年のアルプス地方は雪があまりに降らなかったらしく、雪がありませんでした。。。
これも地球の温暖化と関係しているのでしょうか？レマン湖畔から山岳部一帯は普通だったらどこも冬は雪景色なのですが、その雪が全くなく、スキー場も雪がなくて、上半分はまだ自然雪なのですが、積雪量があまりに薄く、下半分は人口雪で、とにかく非常に滑りにくかったです。
従って息子はかなり慎重にゆっくりと滑り、スノーボードである私は頻繁に転びすぎていい年して足に大きな青あざ数カ所…
しかも山頂あたりは雲だか？霧だか？で視界も悪く晴れていたら遠くにモンブランさえ見えるのに。。。それでも一年振りの滑りにアドレナリン効果は抜群。心身、そして脳にはかなり良い刺激に！
個人的に大好きなスポーツは二つ。このスノーボードともう全くしていませんが小型ヨット（二人乗り）。共に大自然の中でするスポーツであり、一歩間違えたら危険になりうるスポーツ。その為か？とても心身と脳が鍛えられるスポーツであると感じており、息子には一生して欲しいスキーはスポーツの一つでもあります。
さて、夜は宿の暖炉の前でくつろぎ。今回宿はスキー場、レマン湖から各車で３０分弱の小さな何も無いArmoy(アルモワ)と言う村にAirbnb(民泊)を予約。
この大きな家の一階部分がAirbnb(民泊)になっています。一階だけでもかなり広く、ただ内装は何の変哲もなくちょっと年寄り系？スタイルでしたが、快適さは抜群。
広いキッチンには石造りのバーが。
こちらはダイニングルーム。
ダイニングルームにあるこう言う鹿の剥製壁掛けってよくこのサヴォワ地方の家やレストランで見かけますが。身体は人間に食べられ、残りの首頭顔だけ飾りとして壁にかかっている、と言うのもどうも残酷、見た目は立派ですが。
そしてリビングルーム。素敵な雰囲気では全くありませんが、とにかく夜暖炉の火を見ながらただ何もせずにぽぉ～としているだけで、かなりリラックスでき体はポカポカ。こんなリラックスできたのは何年ぶり？的な。この暖炉がとにかく部屋中かなり暖めてくれます。
人工雪に積雪量が少なすぎたスキーにスノーボードは難しく、疲れ、結局１日で終わり。翌日は、スイスの温泉スパに行くことにしました。
まずレマン湖畔の街、 «水 » で有名なエビアン レ バン(Évian-les-Bains)でランチを。適当に入ったハンバーガーショップBc Burgerでハンバーガーと自家製ポテトフライセットを。息子は勿論大喜びでしたが、ハンバーガーって特別好きでは無かったのですが、そこらの牧場にいた牛の肉のせいか？牛肉がとても美味しく、プラスサヴォワ産のチーズがのっているのでかなりお勧めです（←期待していなかっただけに写真撮っていません）。山岳地帯の牧場には多くの牛が見られます。
その後はレマン湖畔をちょっと散歩。対岸はスイスです。レマン湖に来るのは１０年以上ぶり。よくよく湖水を見るとかなりの透明度。アルプスの山からの水が流れてくる訳です。ちなみに、レマン湖は５６３年に８メートルの津波が起き、湖畔の街ジュネーヴや、このエヴィアン レ ヴァン、トノン=レ=バンは水没してしまったそう、そんな事が書かれている看板↓。
その後は湖畔を走り続けスイス国境を通過。
その後２０キロちょっとでスイスの温泉スパLes Bains de Lavey (英語: Lavey-les-Bains ラヴェイ レ バン)に到着～。
入り口、
こちらでチケット購入。公共温泉スパの為タオルは各自持参です。
室内撮影禁止の為こっそりと。かなり広く、山景色も最高。あちこちに色々な種類のジャグジーが、そして流れプールもあります。その他、サウナ、ハマム、読書室、休憩室、カフェテリア等もありかなり充実した温泉スパでホテルも併設しています。ちなみにスイスで一番水温の高い温泉だそうです。冬の夜には温泉から出る湯気でかなり幻想的な雰囲気にもなります。
温泉でしっかり温まりリラックスした後(３時間チケットが丁度良いです)は宿に戻り、暖炉の前で再びぽっ～と。ぬくぬくと温まりあまりのリラックスレベルで何だか身体がフワフワと浮いていく様な感覚…
さて、翌日は、ちょっと山中を散歩。
前夜ちょっと雪が降った様で散歩には丁度良い積雪量ですが、スキーには全く足りず。
それにしても雪景色っていいですねぇ～。
川のせせらぎ、自然音を聞きながらの散歩。
その後は、宿近くの農場チーズ専門店La Ferme de Trossyへ。この農場小屋内には大量の牛がいます。
そしてお隣のこちらがチーズ専門店。
あまりチーズも好きでは無いのですが、このオートサヴォワ県産のチーズは好き、しかもパリのほぼ半額のお値段。
パリに持ち帰り美味しい赤ワインといただきます…。ちなみにトム(トム ド サヴォワTomme de Savoie)とアボンダンス(Abondance)をセレクト。
次は、レマン湖畔の中世の町並みが残る小さな村イヴォワール(Yvoire)へ。
冬の湖畔は寒く（この日は-2°)閑散としています。
石造りの建物が並ぶ同村のレストランLa Tabouleでランチを。
前菜はレマン湖で釣れたお魚のテリーヌ。
メインは同じくレマン湖の魚フライ。
デザートは、勿論このオートサヴォワ県で沢山摘めるブルーベリーのタルト。
しっかり食べてエネルギー補給をして、再び散歩。
冬は寒くて人影も無く閑散としているこのイヴォワール。実はフランスの最も美しい村の一村に指定されている村でもあります。
夏は青く透明なレマン湖に緑の木々、鮮やかな花々が咲き、華やかなリゾートスタイルの雰囲気へと変わります。
ビーチも幾つかあるので、そうだ！近い未来の夏のバカンスはこのオートサヴォワ県北部で過ごそう、何て思いつき。
このレマン湖周辺からアルプスの山岳部地帯。もう１5年以上前にパリに住んでいた山、スノーボード好きの友人がレマン湖畔のエヴィアン レ ヴァン(Évian-les-Bains) に移住し、その友人から、このイヴォワール、スイスの温泉スパLes Bains de Lavey…等に連れて行ってもらい知り、スノーボードを教えてくれたのもこの友人。彼のお陰である意味雄大な自然、このアルプス地方の山岳地帯で過ごす楽しみを知ったのです。そんな友人は南米に移住してしまいましたが又いつかフランスに帰ってくるのか？
そんな若い頃の楽しかった思い出に浸りながら、やっぱり自然、山っていいなぁ～とつくづく思いながら、美しい夕日を見ながらパリへと帰ります。
又この滞在を動画にしてみましたのでよかったらご覧ください :