イタリアの地中海沿岸部の世界遺産、と聞くと真っ先に思い浮かぶのは北部リーグリア州(Liguria)の小さな５つの村から成るチンクエ テッレ(Cinque Terre)、そして世界で最も壮観な海岸線の一つである南イタリアのアマルフィー海岸(Costiera Amalfitana) 。
魅力溢れる５つの村チンクエ テッレ、圧倒的な絶景とスケールを誇るアマルフィー海岸(Costiera Amalfitana) 。両方とも一生思い出に残る景色、旅になりますが、もう一つこの地中海沿岸部に同じく素晴らしい世界遺産に登録されている街が存在します。その名はポルト ヴェーネレ(Portovenere）。
イタリア北部リーグリア州に位置し、チンクエ テッレから非常に近く、イタリアの軍港であるラ スペツィア(La Spezia) から船でチンクエテッレを訪れる際の入り口になる街。従って車や電車で チンクエ テッレを訪れる場合には素通りしてしまいがち。
チンクエ テッレよりもその名は有名ではありませんが、実は有名なチンクエ テッレよりもこの街の方がより素敵なのです。このポルト ヴェーネレ(Portovenere）とチンクエ テッレ(Cinque Terre)の両方を知る幾人かのフランス人も同意見。
４年前に私達もチンクエ テッレ(Cinque Terre)に行くついでに寄ってみたら、何て素敵な場所！と大変気に入り、今年で３回目の訪問になります。そう、それ程私達を魅了した街の一つです。
滞在先のトスカーナ州の小さな村ヴィコピサーノ(Vicopisano)から高速で車で約１時間半。更にトスカーナ州を南下する前に又行っておこう、と決めいざ！
この街で厄介なのは駐車場。訪れる観光客に対して駐車場のスペースが足りていませんが（イタリアの街はどこもそうですが）、何とか毎回街をくるくる何回か回っているうちに駐車可能に。今回も街の中心までちょっと歩かなければいけない街外れの高台に駐車。
それでもこの街の洗練された地中海沿いの歩道を歩いているとその距離を忘れてしまう程、とても気持ち良いのです。
市街中心に到着～。港前はカラフルな建物が並び絵画の様に美しい街。
港前の広場からこの街の先端にある海に突き出てた様に小さく聳え立つあるサン・ピエトロ教会まで一本の細～い道(Via Giovanni Capellini)が出ています。
この道をぶらぶらと両サイドに立ち並ぶ土産屋やレストランを覗き見しながら、そして試食しながら歩くのが又楽しいのです。
この通りの奥の方にこれ又最高に美味しいレストランPortivene (Via Capellini, 94,19025 Portovenere SP)があります。前回同レストランで食べたシーフードのフライ、各パスタがかなり美味しく勿論今回もここでディナーを予定していましたが、前日に予約の為電話すると翌日は定休日 との事(😱)でした。。。
狭くてすぐ満席になるレストランの為、もし行く際には必ず数日前に予約を！。クローズしていた同レストラン前を通過し（ 😭）、街を抜け沿岸の断崖の方へ。
ここからの景色は本当に雄大。崖上にはドリア城(Castello Doria)の古城跡が見えます。こちらで泳ぐ予定でしたが先に泳いでいた彼と息子がクラゲがいる！クラゲがいる！と叫んで帰ってきたので結局泳がず景色をぼぉ～と眺めながらその自然美に浸ります。
その後は１３世紀に建てられたポルト ヴェーネレ(Portovenere)の最先端に位置する小さなサン・ピエトロ教会( chiesa di San Pietro)へ。元の教会は５世紀まで遡る教会です。
青い海、断崖絶壁、美しい入り江、そしてまるで今でも要塞の様な雰囲気に包まれた教会。感動的な絶景です
とても小さくこじんまりとした教会なのですが、人々の心をとらえ続け、イタリア人だけでなく外国人にも結婚式で人気。実際初めてここに立った時、イタリア人の小さな結婚式が開かれていました。結婚式でかかっていたバッハのG線上のアリア(Air on G String)が外まで聞こえ、心地よい海風を感じながらこの名曲とこの素晴らしい景観が見事に溶け合った空間にいた自分。何とも言えない感動的な瞬間であり時が止まったかの様でした。。。思わずそこにいた見知らぬ観光客や彼とも顔を見合わせてしまった程。
ポルト(Porto)は港を、 ヴェーネレ(venere）はヴィーナスを意味します。ヴィーナスの港町、ヴィーナスに捧げられたサン・ピエトロ教会。その名に相応しい神秘的な雰囲気、景観を持つ街だと思っています。
結局夕食は港前のレストランELETTRAで。とても美味しかったのですが（イタリアは基本的にフランスと違いどこのレストランでもとても美味しいのですが）、、、やはり先に挙げたレストランPortiveneには及びませんでした。
３回もこの街に戻って来れるとは思っていませんでしたが、お気に入りレストランPortivene に行く為にも又この美しい街にいつか戻って来なければいけません。
この素敵な街をショート動画にしてみましたのでご覧ください(日本語字幕をオンにしてください)。