アヴィニョンから北西40キロに位置する中世の美しい街ユゼス(Uzès)。
紀元前2世紀に遡る旧要塞都市であったこの街の近くには、ローマ時代の1世紀に建設された最古のポン デゥ ガール(Pont du Gard/水道橋)もあり、ユゼスは当時ローマ帝国の繁栄していたニーム(Nîmes)の町に水を供給する水源地でした。周辺のアルゾン川(rivière alzon)から汲み上げられたウール(Eure)渓谷の泉がその水源地であり、ポン デゥ ガールを経てニームまで水が送られていたのです。そして今ままでの発掘調査により多くの古代遺跡も見つかっています。
そんな歴史が息づく街、に足を入れるやいなや、その昔の栄華をまるで感じられる様な古くかつ洗練された雰囲気が漂っているのです。
まず街の端っこにある大型駐車場に車を停めて外に出ると、すぐに素敵なブテイックがいくつか立ち並びます。その一つであるセレクトショップVERONIQUE NOCQUETH。
ブティック兼アートギャラリー&エクスポジションの場であるこのお店。
元教会であったらしく、その昔の建物と現代のインテリア、コレクションが入り交じったこれが又とても素敵な空間を生み出しておりで思わず感嘆。
ヨーロッパならではの空間ですね。
その後は路地へ。夏休み真っ最中だったにも関わらずひっそりとした路地。
入り組んだ路地にも素敵なギャラリーやブティックがちらほら。
この町の路地を散歩していると、時が止まったかの様な、ゆっくりと時間が過ぎて行き、まるで外界とは異なる空間、空気を感じる不思議な町。
そしてこの日は街の中心にあるテン(TEN)と言うレストランにディナーを予約しました。普通フランスでは皆各自、前菜、メイン、デザートとオーダーしますが、色々なテーストを味わいたい私は毎回全ての料理をシェアします。
冷えた白ワインに、
牡蠣の天ぷら、
鴨のヴィテッロ・トンナート、卵とズッキーニのマリネ添え。これがとてもオリジナルで繊細な味!
アルゼンチン産ブラックアンガス牛サーロイン、チミチュリソース、ケイジャンポテトフライつき、そしてニーベル(スズキ科の魚)フィレのセビーチェ、アボカドとマンゴー、コンババ(ライムの一種)添え。セビーチェがとても好きでメニューにあると大体どこでもオーダー。アボカドとの相性も抜群!
そしてデザートは、近くのモンヴァントゥ産の牛のチーズ、イチゴサラダ、タイバジル添え、
と何だったか?忘れたけれど、美味しいアルコール系ソースに浮かぶストロベリーアイスクリーム。
うわぁ~世界の風味が交わり、しかも全品クリエイティブで繊細なお味!全て入念に作られた料理で正に自分好みの味。美しいこの街で満足度が高すぎる料理。ユゼスのお勧めレストランです (https://www.tenuzes.com)!
オーナーの一人はオーストラリア人であり、きっと世界中で色々な食事、風味をテーストした結果?生み出せた味なのではないでしょうか、私の想像ですが。しかも彼女を含め、皆ウェイターの対応も大変心地よく、普通のフレンチレストラン、フランス人だけのレストラン、とはやはり全てが違う(苦笑)。
私達は外のテラス席にしましたが、レストラン室内もとても素敵💖。
中庭にあるテラス席も又いい雰囲気です。
さて、感動的なディナー後も少しお散歩を。こちらはユゼスの中心的な広場であるエルブ広場(La Place aux herbes)。小さな店やギャラリーが軒を連ねるアーチ型のこの広場に着き、そう、この街全体が非常にイタリアに似ているんだ、と気付き、トスカーナのルッカ(Lucca)の街が頭に蘇ってくるほど。特にこの広場はルッカのナポレオン広場に似ているのです。
アヴィニョンにしろここユゼスにしろやはりイタリアにより近い雰囲気、そりゃあ元はイタリアであった訳で当たり前と言えば当たり前だけれど。
各ブティックやギャラリーもどこもセンスがよく、アートな街でもあり、そんなイタリアに似たとても美しく上品なユゼス。
そんなに多くの街や村をプロヴァンス地方で訪問した訳ではないけれど、アヴィニョン(Avignon)よりも、エクス アン プロヴァンス(Aix-en-Provence)よりも、ゴルド(Gordes)よりも、この街が一番私は気に入りました。とても記憶に残る街。。。
ユゼスへは車でのアクセスになりますが、アヴィニョンやニームからもバスが出ています。その場合少し面倒ですが、それでも十分に訪れる価値のある街で移動の苦労や疲れを忘れさせてくれるでしょう。
車で行く場合には途中の河原で寄り道して行くのもいいかも知れません。周辺の素朴な景観、雰囲気を味わえます。特にフランス、イタリア、スイスに関して言えば、公共交通機関でのアクセスが難しいほど実は素晴らしい場所があるのです。前々回のゴルドとユゼスの動画を作成したので良かったらご覧ください!