1月は恒例パリコレクション。メンズプレタポルテ、そしてオートクチュールとファッションウィークが約2週間弱続きパリ中心部は陰気で暗いいつものパリと異なり華やかな雰囲気になります。
今回自社ブランドはパリのウェスティンホテル、インペリアルサロンで行われました。インペリアルとは帝国、皇帝を指し、その名に相応しい重厚、荘厳なサロンです。
このサロンはかつてイヴサンローランがパリコレでショーをしていた場所。今は色々なメゾンがこのサロンを使用していますが、目を見張る素晴らしい空間であり、歴史がこのサロンに刻まれている様な感じさえもします。
かれこれもう16年目のショー。パリだとファッション、モード業界は独特な業界とよくみなされる傾向が。日本でもそうなんでしょうかね?
この業界には本当に仕事、つまりファッションが好きでしている人が多いのですが、好きが為にはまり易く、人生にバランスの取れた人が少ないのでは?とも感じます。実際、独身、LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)、家族を持たない人がかなりいます。
私も20代から30代前半までは仕事後夜頻繁にデパートやブティックを見て回りショッピング、ブランド品も買っていましたが、子供が出来ると一気に価値観が変わり人生の幸せの本質を考えさせられます。
もう何年も前に我が社のデザイナーから、この業界はな、見栄!見栄の業界なんだ!だからもっと格好良くしろ、自社ブランドを着て、何て言われましたが、見栄で生きると言う事は実際は真の幸せを意味しないなぁ〜と。
人間の幸せとは毎日の当たり前の日常であり、そして時々感動を呼び起こす様な瞬間、出来事だったり、人それぞれ違いますが。
一般的な広告とは別に雑誌のタイアップも、日本だと雑誌社などに支払いをする事によって記事やインタビューを載せてもらう事も可能です。これもある種の見栄。。。フランスでは割と稀でその人、ブランドの知的レベル、能力が問われます。
と、この見た目華やかなこの業界について色々考えながら、今回はフォトグラファーさん達のすぐ隣からショーが見れました!
共感を持ち、そしてこの人はこんな風に考えていたんだなぁ〜何て思った業界新聞WWD JAPANの現編集長の興味深いインタビューの一部:
僕は週に1〜2回、学童保育から保護者が帰宅するまでの時間を障がいのある子どもと一緒に過ごす、という取り組みを続けています。1週間のうちのわずかな時間だけれど、そうするとお母さんたちのリアルなコミュニティーを垣間見ることができる。「30万円の時計を見て『お手頃!』とか言っている自分たちって?」と客観的になれるんです。「サカイ(SACAI)」や「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」などがブランドとして存在感を増した頃、何人ものバイヤーが「あの人たちは母であり、妻であり、仕事人であり女性。複数の『顔』を持っているからこそ、魅力的なアイテムを生み出すことができるのよ」と語っていました。「じゃあ、僕も家族の一員としての『顔』を持ってみよう」と思ったことがきっかけです。いろいろな世界を見ると、偏った感覚を軌道修正できるんじゃないかな。仕事でファッションにどっぷり浸かっているからこそ、プライベートの時間はできるだけそれだけではないコミュニティーに身を置きたい、と思っています。